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Kanon 第1話 白銀の序曲(オーバーチュア)-overture- あらすじ&レビュー 

(喫茶店内BGM パッヘルベル「カノン」)


■雪の中を走る電車

■雪の降る駅前
ベンチに座る少年。肩に雪が積もっている

[少年] 遅い、何やってんだあいつ

少女が駆け寄ってくる
少年に声をかける少女

[少女] 雪、つもってるよ
[少年] そりぁ、2時間も待ってるからな

少女、腕時計を見て
[少女] うわビックリ、まだ2時くらいだと思ってたよ

[少年] 2時でも1時間の遅刻だ
[少女] 寒くない?
[少年] 寒い
[少女] だよね。ごめんね

少女、少年に積もった雪をはらう
[少女] 7年ぶりだね。ねぇ、私の名前、まだ覚えてる?
[少年] そういうお前だって、俺の名前覚えてるか?
[少女] 祐一

[相沢祐一] 花子

[少女] ちがうよー

少女、不満そうに体を揺らす

[相沢祐一] 次郎?

[少女] 私、女の子

祐一、身震い
[相沢祐一] やばい、ほんとに風邪ひいちまう
[少女] 私の名前
[相沢祐一] そろそろ行こうか

祐一ベンチから立ち上がり、歩き出す
[少女] 名前

祐一、振り向いて
[相沢祐一] 行くぞ、名雪

[水瀬名雪] あ。うん!
名雪、嬉しそうに後を追う


■■■■■オープニング■■■■■



■■■■■Aパート開始■■■■■

■赤い森
[少女] 夢。夢を見ている。毎日見る夢。終わりのない夢。
赤い雪。赤く染まった世界。
夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。
せめて流れる涙をぬぐいたかった。
だけど手は動かなくて、頬を伝う涙は、雪に吸い込まれて
見ていることしかできなくて、悔しくて、悲しくて。
大丈夫だから、だから泣かないで、約束だから。
それは誰の言葉だっただろう。夢は別の色に染まっていく。
約束、だよ。

■ベッドで目を覚ます祐一
[相沢祐一]どこだ、ここ

部屋の外から、小さく名雪の声が聞こえる
[水瀬名雪] 制服、制服

祐一、ベッドから出て窓の外を見る
広がる雪景色


●タイトル●第1話 「白銀の序曲(オーバーチュア) -overture-」●

名雪、階段を上る
[水瀬名雪] 制服、制服

祐一、部屋を出たところで名雪に会う

[水瀬名雪] あ。おはよう、祐一
[相沢祐一] 朝から何騒いでんだ?
[水瀬名雪]だめだよ祐一。朝はちゃんと、おはようございます、だよ

[相沢祐一]おはようございます
祐一、バカ丁寧に頭を下げる

[水瀬名雪]うん。おはようございます。
ねぇ、祐一。私の制服知らない?

[相沢祐一] 秋子さんが洗濯してたんじゃないのか?確か
[水瀬名雪] あっ
名雪、あわてて1階へ

[相沢祐一] 変なデザインだよな、あの制服
祐一、つぶやく
[水瀬名雪] 変じゃないよー
名雪が1階から返事をする
[相沢祐一] 聞こえたか

■部屋の前
[水瀬名雪] あったよ、祐一
名雪、祐一に手に持った制服を見せる

[相沢祐一] そら、よかったな
[水瀬名雪] でも、ちょっとしめってる

名雪、「なゆきのへや」と書かれた、かえるのプレートのかかった部屋に入り、制服に着替える
祐一、ドア越しに話しかける
[相沢祐一] 名雪、こたつの中に入れておくと、すぐに乾くぞ
[水瀬名雪] そんなことしたらシワになっちゃうよ
[相沢祐一] 冬場の生活の知恵だぞ
名雪、苦笑い
[水瀬名雪] そんな生活の知恵、やだよ

[相沢祐一] 今日までは冬休みなんじゃないのか?
[水瀬名雪] うん、でも部活あるから。私、部長さんだし
[相沢祐一] ああ、昨日も練習とかいってたな
[水瀬名雪] うん、陸上部
[相沢祐一] 名雪が陸上部の部長ね

■二人で1階へ
[水瀬名雪] うーん、まだしめってる
名雪、玄関で靴を履いている
[相沢祐一] 急がなくて良いのか?
[水瀬名雪] うーん、全然良くないよ

[水瀬秋子] 名雪
お湯の入った鍋を持った女性が、祐一の背後にいきなり出現
[相沢祐一] おっ
[水瀬秋子] こんな時間だけど、いまから間に合うの?
[水瀬名雪] 百メートルを七秒で走れば、間に合うよ
[相沢祐一] それは世界新だ
[水瀬秋子] 頑張ってね

祐一、鍋を指さして
[相沢祐一] 秋子さん、その鍋は?
[水瀬秋子] あ、これ?

名雪、玄関を出る
[相沢祐一] さむ!

秋子、門扉に鍋のお湯をかける
[相沢祐一] そういや、そうだったな

名雪、門扉を開けて出て行く
[水瀬名雪] じゃあ、行ってくるね

祐一、名雪を呼び止める
[相沢祐一] ああ、名雪
[水瀬名雪] うん?
[相沢祐一] 後で町の案内をしてくれないか?
[水瀬名雪] うん。私で良ければ、OKだよ
[相沢祐一] 悪いな
[水瀬名雪] いいよ、それくらい。行ってきまーす
[水瀬秋子] 車に気をつけてね

■道路の雪かきをする祐一
[水瀬秋子] 大変でしょう、疲れたら休んでくださって良いですよ
[相沢祐一] なあに、平気ですよ
[水瀬秋子] 男の子が来てくれて助かるわ

[相沢祐一] この人は俺の母親の妹で、水瀬秋子さん。名雪の母親だ

祐一、雪かきを続ける
[相沢祐一] はぁ
祐一、汗をぬぐい、秋子の方を見る
[相沢祐一] もう、あんなところまで
秋子はすでに、ずっと先の方の雪かきをしている

■水瀬邸内
祐一、リビングのソファに寄りかかる
[相沢祐一] 疲れた
秋子、お茶を持ってくる
[水瀬秋子] お疲れ様
[相沢祐一] ありがとうございます

[相沢祐一] 子供の頃、俺はこの町によく遊びに来ていた。
       名雪と秋子さんとも、7年ぶりの再会となる

[水瀬名雪] ただいま
名雪、帰宅
[水瀬名雪] さあ、祐一。町を案内するよー
名雪、手を広げたポーズで元気よく言う
祐一、じっと名雪を見つめる
[水瀬名雪] どうしたの?
[相沢祐一] いや、お前って変わってないよな
[水瀬名雪] それって成長してないって事?
[相沢祐一] さあな

■川沿いの道を歩く二人
[相沢祐一] わざわざ悪いな。帰ったばかりなのに
[水瀬名雪] 早く町になれてもらわなくちゃ。
       祐一はこれから、ずーと、こっちで暮らすんだもん。
       ずっと、ずっとね
[相沢祐一] ずっとかどうかは分からないけど
       少なくとも高校を卒業するまでは、この町で暮らすことになるんだろうな

■学校
[水瀬名雪] 私たちの学校だよ
[相沢祐一] この辺りって、前は麦畑だったか?
[水瀬名雪] うん。こっちは新校舎、あっちが旧校舎
[相沢祐一] 休みなのに生徒が多いんだな
[水瀬名雪] 補習とか部活とか色々あるからね
[相沢祐一] 明日からは俺もここの生徒か

■学校近く
たたずむ犬と少女
[倉田佐祐理] まいー
[川澄舞] さゆり
[倉田佐祐理] 探したよ、舞。何してるの?
犬が逃げていく
[川澄舞] あ
[倉田佐祐理] また犬さんに御飯をあげてたの?
[川澄舞] なでてただけ

■学校から帰る二人
[水瀬名雪] あれが病院って、昔からあったよね
[相沢祐一] あんまり世話になりたくないところだ
[水瀬名雪] 祐一、病院苦手だったっけ
[相沢祐一] 病院好きな奴なんていないだろう
[水瀬名雪] えへっ、そうかな

女性の二人連れとすれ違う
[女性1] 寒くない?
[女性2] うん、平気
(一人はメインキャラ、栞)

■繁華街
[相沢祐一] この辺りもずんぶんにぎやかになったな
[水瀬名雪] うん。私は向こうの商店街で買い物をすることが多いけど
名雪を呼ぶ声
[美坂香里] 名雪
[水瀬名雪] 香里、北川君

少女と少年が駆け寄ってくる
[相沢祐一] 友達か?
[水瀬名雪] クラスメート。香里は私の親友だよ

[北川潤] 珍しいな、水瀬もデートか?
[水瀬名雪] え
香里、北川に肘打ちを叩きこむ
[美坂香里] も、って何よ。私たちは偶然会っただけでしょ
[北川潤] 偶然会っただけの奴に、こんなに荷物持たせんなよ

名雪、祐一を紹介
[水瀬名雪] この人は相沢祐一君、私のいとこの男の子だよ
[美坂香里] 前から話してたわね

香里、祐一を見て
[美坂香里] 美坂香里よ、香里で良いわ、相沢君
[北川潤] 俺は
[相沢祐一] 彼女の荷物持ちだ
[北川潤] 誰が荷物持ちだ!
[美坂香里] 北川君、ちょっとこれ持って
[北川潤] あ、はい
北川、すかさず荷物を受け取る

[相沢祐一] やっぱり荷物持ちじゃないか
[北川潤] 違うっつうに、俺は香里の
[美坂香里] これもお願い

香里、北川の口に袋のヒモをくわえさせると
レジ袋から缶コーヒーを2つ取り出し、祐一に渡す
[美坂香里] お近づきの印
[北川潤] それ俺が買ったやつ
[美坂香里] ケチなこと言わないの
北川、祐一に詰め寄る
[北川潤] 言っとくけどな、香里には手を出すなよ、香里は俺の
香里、北川の足を踏みつける
[北川潤] 痛い、いてっててて
倒れる北川

名雪、心配そうに
[水瀬名雪] 北川君
[美坂香里] ただのクラスメイトでしょ。じゃ、また明日、学校でね
香里、手を振り、一人で歩き出す
[水瀬名雪] うん、またね

北川、あわてて立ち上がる
[北川潤] あっ、待てよ。せめて彼氏候補くらいにしてくれないかな?香里?香里さーん

[相沢祐一] 面白い奴だな
[水瀬名雪] 二人とも私の近くの席だよ
見送る二人
祐一、夕焼けの街に森の幻を見る
[水瀬名雪] 祐一?
祐一、我に返り
[相沢祐一] ああ、なんでもない

信号が赤から青へ変わる

■■■■■Aパート終了■■■■■



■■■■■Bパート開始■■■■■

■町を一望できる丘
[水瀬名雪] この丘は変わってないでしょ
[相沢祐一] ああ
[水瀬名雪] どうしたの?
[相沢祐一] いや、あんまり覚えてないんだ。昔のこと
[水瀬名雪] え?
[相沢祐一] ずいぶん、いろんな事があった気もするけど、ほとんど忘れちまった。
       この町が好きだったかどうかも。
       子供だったからかな、懐かしいとか、そういう気持ちも、あんまりわいてこないんだ
[水瀬名雪] きっと少しずつ思い出していくよ、いろんなこと。
       私はこの町大好きだから、だから祐一にも好きになって欲しいな

草がすれる音
[水瀬名雪] あ、きつねさん
キツネが現れる
[水瀬名雪] おいで、きつねさん、おいで、おいで
名雪、キツネに近づく
[相沢祐一] よせよ、かまれるぞ
名雪、そのまま近づく
[相沢祐一] 相変わらず動物好きだな、お前
[水瀬名雪] おいで、おいで

キツネ逃げる
[相沢祐一] 野生のキツネだろ、そう簡単に人になつくもんか
[水瀬名雪] そーんなことないよ、この丘のきつねさんは特別なんだよ。
       古い言い伝えだってあるんだから
[相沢祐一] どんな言い伝えだよ
[水瀬名雪] あのね。うーん
名雪、自分の頭をポカリ
[水瀬名雪] 私も忘れちゃった
祐一、あきれたように肩を落とす

■商店街 スーパー前
[水瀬名雪] 晩ご飯のおかず買わなきゃ
[相沢祐一] 俺はここで待ってる。中に入ったら迷いそうだ
[水瀬名雪] 大丈夫だよ、私が一緒なら
[相沢祐一] お前が一緒だから、心配なんだよ
[水瀬名雪] うー。じゃそこにいてね、勝手にどっか行っちゃだめだよ
[相沢祐一] 大丈夫だって、ここでじっとしてる
[水瀬名雪] うん
名雪、中に入りかけたところで振り向く
[水瀬名雪] 昔、同じような場面があったような気がするよ
[相沢祐一] いいから、早く行ってこい
名雪、笑って中へ

[相沢祐一] 七年前にも俺はこの景色を見ていたんだろうか
祐一、夕焼け空を見上げる
[少女] そこの人!どいて、どいてー!
羽のついたリュックをしょった少女が走ってくる
[少女] うにゅ。どいてー!

少女、祐一に正面からタックル

[相沢祐一] ぐあ
[羽リュックの少女] うぐぅ、痛いよー
[相沢祐一] 悪い、悪い。あんまり高速だったのでよけられなかった
[羽リュックの少女] うぐぅ、僕そんなに足速くないもん
[相沢祐一] いや、謙遜することはないぞ
[羽リュックの少女] うぐぅ
少女、はっとして周囲を見回す
[羽リュックの少女] とりあえず話は後
少女、祐一の手をひっぱり、そのまま走り出す
[相沢祐一] ちょ、ちょっと待てよ、おい
そのまま喫茶店に入る二人

■喫茶店(店内BGMはパッヘルベルの「カノン」)
[羽リュックの少女] ここまで来れば大丈夫だね
[相沢祐一] 大丈夫も何も、事情が分からん
[羽リュックの少女] 追われてるんだよ、僕。僕と一緒にいるところを見られたから君も危ないよ
ウェイトレスが水を持ってくる
[ウェイトレス] ご注文お決まりでしょうか?
[羽リュックの少女] しー!後で
[ウェイトレス] かしこまりました
[羽リュックの少女] あ
少女、窓の外を見た後、隠れるように顔を伏せる
祐一、窓の外に人を探している様子の男を発見
[相沢祐一] あいつに追われてるのか?
[羽リュックの少女] そう
[相沢祐一] その紙袋と何か関係があるのか?
祐一、少女の持つ紙袋を見て言う
少女、顔を伏せたまま、首を振る
[羽リュックの少女] ぜ、ぜ、全然そんなことないよ
祐一、ため息
[相沢祐一] なんか、すげぇ、人の良さそうなおやじだ
[羽リュックの少女] 人は見かけで判断したらだめだよ
[相沢祐一] 何で、あいつエプロンしてるんだ?
[羽リュックの少女] 多分たい焼き屋さんだからだよ
[相沢祐一] どうして、鯛焼き屋がお前を追いかけてくるんだ?
[羽リュックの少女] それは、大好きなたい焼きやさんがあって、たくさん注文したところまでは良かったんだけど

■回想シーン
お金を払おうと思ったら財布がなくて、どうしようかと思ってたら
横に猫くんがきて、たい焼きをつまみ食いしようとして、おじさんがすごく怖い顔で怒鳴って
それで僕もビックリして逃げちゃったんだよ

[相沢祐一] ということは、お前が一方的に悪いんじゃないのか?
[無銭飲食の少女] うぐぅ、他にも事情があったんだよ
少女、足をばたつかせる
[相沢祐一] どういう事情だ
[無銭飲食の少女] 話せば長くなるんだけど
[相沢祐一] 聞こうじゃないか
[無銭飲食の少女] 複雑な話なんだけど
[相沢祐一] いいから、言ってみろ
[無銭飲食の少女] 実はとっても、おなかが空いてたんだよ

[相沢祐一] それで?
[無銭飲食の少女] それだけ

[相沢祐一] それだけ?
[無銭飲食の少女] それだけ

■外
[無銭飲食の少女] うぐぅ!
祐一、少女の手をひっぱり、歩く
[相沢祐一] どう聞いても、悪いのはお前だ
[無銭飲食の少女] 明日ちゃんとお金払うもん
[相沢祐一] 明日じゃ遅い、俺が金出してやるから今すぐ、あやまりに行くんだ
たい焼き屋に謝る二人

■商店街
[たい焼き好きの少女] 良かった許してもらえて
少女、嬉しそうにたい焼きをぱくついている
[たい焼き好きの少女] やっぱりたい焼きは焼きたてが一番だよね
[相沢祐一] 太るぞ
[たい焼き好きの少女] う。僕そんなの気にしないもん
[相沢祐一] だったら見ててやるから、全部残さずきれいに食べてみろ
[たい焼き好きの少女] うぐぅ
[相沢祐一] うぐぅ
[たい焼き好きの少女] うぐぅ!マネしないで
[相沢祐一] いやぁ、さっきからずっと使ってるから
[たい焼き好きの少女] うぐぅ、そんなことないもん

少女、祐一に背を向ける
[相沢祐一] ん?
祐一、少女の背負っている羽付きのリュックに気がつく
[相沢祐一] その背中の羽は何なんだ
[羽リュックの少女] はね?羽って何?
[相沢祐一] 背中についてるだろ
[羽リュックの少女] 背中?
少女、首を回して後ろを見ようとして、そのまま体ごと回転し、その場でスピンを始める
[羽リュックの少女] うぐぅ、見えないー
[相沢祐一] 首だけ動かせばいいんじゃないのか?
少女、回転をやめ羽を見る
[羽リュックの少女] ホントだ。羽があるよ、かわいい羽ぇ
[相沢祐一] もしかして、そうじゃないかと薄々思ってたけどな
[羽リュックの少女] うん?
[相沢祐一] お前、変な奴だな
[羽リュックの少女] うぐぅ、そんなことないもん

■商店街
[羽リュックの少女] それじゃ、この辺でさよならだね
[相沢祐一] そうだな。ほんとにちゃんと金返せよ
[羽リュックの少女] 僕は月宮あゆ。君は?
[相沢祐一] 相沢祐一
[月宮あゆ] え?祐一くん?
[相沢祐一] どうした?
[月宮あゆ] ううん、何でもないよ。また会えるといいね
[相沢祐一] そうか?
[月宮あゆ] そうだよ、そんなこと言うとお金返さないもん
[相沢祐一] 冗談だ
[月宮あゆ] それじゃあ、また会おうね。約束だよ
祐一、少女の面影を一瞬思い出す
[相沢祐一] ぁ
[月宮あゆ] どうしたの?
[相沢祐一] いや、何でもない
[月宮あゆ] それじゃあね
あゆ、手を振って夕日の街へと消えていく

[相沢祐一] あ、いけね
祐一、走る

■スーパー前
名雪、レジ袋を抱えベンチに座っている
[相沢祐一] よう
[水瀬名雪] うそつき

■水瀬邸 リビング
[相沢祐一] ほんと悪かった。なぁ、さっきから謝ってるだろ
[水瀬名雪] 三十分も待ってたの
[水瀬秋子] だめよ、ケンカしたら
[相沢祐一] あ、はい。 おい名雪
名雪、ため息
[水瀬名雪] いいよ、私も昨日遅刻したから
祐一、安堵のため息
[水瀬名雪] おあいこだよ

白クマ便のダンボールの山
[水瀬名雪] 引っ越しの荷物届いたんだね
[相沢祐一] 今日中には、片付かないな。とりあえず目覚まし時計が欲しいんだが
[水瀬名雪] それだったら、私の貸してあげるよ
[相沢祐一] ああ、助かる
[水瀬名雪] 何個あったらいいかな?
[相沢祐一] 一個で良い
[水瀬名雪] どれでも好きなの貸してあげるよ

■名雪の部屋
十個以上の目覚ましが置いてある(ベッドの足側には、超巨大な目覚ましが)
[相沢祐一] 趣味で集めてるのか
[水瀬名雪] ううん。そんなことないよ。祐一には、これがお勧め、はい
名雪、猫のマスコットのついた時計を渡す
[相沢祐一] ああ、サンキュ
祐一、部屋を出ようとする
[相沢祐一] それじゃな
[水瀬名雪] ゆういち
祐一、振り向く
[水瀬名雪] 夜は、おやすみなさい、だよ
[相沢祐一] ああ、お休み
[水瀬名雪] うん

■祐一の部屋
祐一、ベッドで横になる
[相沢祐一] あたらしい町での新しい生活。そんな冬の一日がゆっくりとくれていく
意識が眠りにとけ込む間際、一人の少女の姿が脳裏をかすめていた
それが誰なのか分からないまま俺は眠りについた

[少女] 行こうよ、早く行こうよ
[少年] ん
[少女] 早く行かないと、日が暮れちゃうよ
[少年] どこに行くんだ?
雪の積もった住宅街
[少女] お母さんに頼まれた買い物だよ。祐一、荷物持ってくれるって言ったよね
[祐一少年] 寒いからやだ
[少女] だったら針千本!いまは増量期間中で、針千五百本!

■スーパー前
[少女] 祐一も来る?
[祐一少年] 俺はここで待ってる、中に入ったら迷いそうだし
[少女] 大丈夫だよ、私が一緒なら
[祐一少年] お前が一緒だから心配なんだよ
[少女] じゃ、私行ってくる、ここで待っててね。約束だよ

祐一、中に入る少女を見送る

祐一の背中にぶつかる少女
[少女2]うぐぅ
少女、泣いている
[祐一少年] なんだ? どうして泣いてんだ
泣き続ける少女
[祐一少年] とりあえず君の名前は?俺は相沢祐一
[少女2] あゆぅ
[祐一少年] 名字は?
[少女2] あゆぅ
[祐一少年] 名字もあゆなのか?
首を横に振る少女

周りの注目を浴びている二人
[大人1] どうしたんだ?
[大人2] いじめられてるのかしら?
[大人3] 兄妹げんかか?

[祐一少年] と、とにかく、ここから離れよう。行くぞあゆあゆ
祐一、あゆの手をひっぱり、そのまま走り出す
[少女あゆ] うぐ、あゆあゆじゃないもん

■■■■■Bパート終了■■■■■



■■■■■エンディング■■■■■

■■■■■次回予告■■■■■

[相沢祐一] あれ、何のジャムなんだ?
[水瀬名雪] ファイト、だよ
[相沢祐一] 相沢祐一です。よろしいお願いします
[北川潤] ホントに同じクラスになったな
[月宮あゆ] おいしいねぇ
[相沢祐一] 後でまた、あやまりに行くからな
[月宮あゆ] ねえ、さっきこんな道通ったっけ?
[月宮あゆ] 昔みたいに、指切りしようよ
[月宮あゆ] どうしたの
[相沢祐一] いや、何でもない

第2話 雪の中の入祭唱(イントロイト) -introit-

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