おジャ魔女どれみドッカ〜ン! 40話 「どれみと魔女をやめた魔女」 あらすじ&レビュー
- ときかけ
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■■オープニング■■
●五つ角の標識(大を逆さまにした感じ)が画面一杯に映し出される
標識によれば下、左、左上、右上、右に行ける
右上と左上に行く道、その真ん中に「五つ角の標識」は立っている
子供たちの話し声が聞こえる
(せりふ)[藤原はづき] みかん?
(せりふ)[春風どれみ] そうそう、いい臭いなんだよねー
(せりふ)[藤原はづき] ハーブならあるけど
(せりふ)[妹尾あいこ] あたし先月ショウガでやってんけどな、やってみようかな
(せりふ)[春風どれみ] いいよー、お肌すべすべだし、体もぽっかぽか
(せりふ)[春風どれみ] ねえねえ、ところでさ
(せりふ)[藤原はづき] どれみちゃんごめんね、これからお稽古だから
(せりふ)[春風どれみ] あ、そっか
(せりふ)[藤原はづき] また明日ね
(せりふ)[おたがいに] ばいばーい
はづきが左の道へ去っていく
どれみ、見送りながら、あいこに話しかける
(せりふ)[春風どれみ] 今日は二人だけだね
(せりふ)[春風どれみ] あいちゃん、ところでさ
あいこ、右手で謝りながら
(せりふ)[妹尾あいこ] ごめん、あたしも今日お父ちゃん遅番やから、晩ご飯作ってやらなあかんねん
(せりふ)[春風どれみ] えー
(せりふ)[妹尾あいこ] ほな、明日な
(せりふ)[おたがいに] ばいばーい
あいこが右の道へ去っていく
(せりふ)[春風どれみ] 暇なのは私だけか。はー、今日もマジョリカにこき使われそう
左上の道を行こうとする、画面はどれみから見たものであり左上の道が映っている
(せりふ)[春風どれみ] あ
画面がゆっくりと右へ移動、右上の道が映る
(せりふ)[春風どれみ] やっぱ、遠回りしてこっと
どれみ、左上の道へ歩いていく
■■タイトル『どれみと魔女をやめた魔女』■■
どれみ、町をそぞろ歩く
ベットボトルの置かれた電柱、米屋、階段、橋
道を歩いていると、物音が聞こえる
(せりふ)[春風どれみ] あ
(せりふ)[春風どれみ] 何の音だろう
また同じ音(吹き竿をいれたバケツに入った水がゆれる)
どれみ、周りをきょろきょろ見回す
一軒の家に注目。道からのぞくと、中にはガラス炉がある。
(せりふ)[春風どれみ] あー
また同じ物音(吹き竿をいれたバケツに入った水がゆれる)
どれみ、いきなり後ろから声をかけられる
(せりふ)[佐倉未来] 散らかってるでしょ
(せりふ)[春風どれみ] あ、え
女性は驚くどれみにかまわず話を続ける
(せりふ)[佐倉未来] 先週越してきたところだから、全部片付いてないの
(せりふ)[春風どれみ] ごめんなさい、勝手にのぞいたりして
(せりふ)[佐倉未来] あ、いいのよ、気にしないで。かわいい魔女さん
どれみ、照れる
(せりふ)[春風どれみ] いやーまいったな、かわいいだなんて。え?い、今なんて?
(せりふ)[佐倉未来] あなた、魔女でしょ。違った?
どれみ、うろたえる
(せりふ)[春風どれみ] えー、うそ、魔女ガエル、うあー
どれみ、魔女ガエルになってしまう
女性、落ちつきた様子で
(せりふ)[佐倉未来] なに叫んでるの?
どれみ、今度は人間のままの姿
(せりふ)[春風どれみ] あれ、あれ、あれ、あれ?魔女ガエルになってない
(せりふ)[佐倉未来] 平気よ、だって私も魔女だもの
話しながら家の敷地中に入っていく女性
(せりふ)[春風どれみ] えー?
女性、振り返って
(せりふ)[佐倉未来] ただ。もう魔法は使わないけどね
●女性の家の工房
女性が吹き竿を炉の中からとりだす
どれみ、椅子に座ってその様子を見ている
(せりふ)[春風どれみ] わー
女性、吹き竿に口を当て、先についたガラスがふくらませる
どれみ、驚いて立ち上がる
(せりふ)[春風どれみ] ふくらんだ、どうして?
(せりふ)[佐倉未来] 息を吹き込んだのよ。ふーって
(せりふ)[春風どれみ] 魔法みたい
(せりふ)[佐倉未来] うふっ。言ったでしょう、魔法は使ってないって
女性、吹き竿をくるくると回転させ、ガラスを丸くする
冷えていくガラス
(せりふ)[春風どれみ] でも、でも。魔法みたい
(せりふ)[佐倉未来] やってみる?
(せりふ)[春風どれみ] やる!やるやる!
どれみ、目を輝かせる
どれみ、女性に手伝ってもらいながら、吹き竿を炉に入れる
(せりふ)[春風どれみ] 水飴みたい、おいしそう
(せりふ)[佐倉未来] 食べちゃだめよ。千二百度あるんだから
(せりふ)[春風どれみ] な
どれみ、吹き竿の端を持ち、息を入れようとしている
(せりふ)[春風どれみ] やってみたかったんだ
(せりふ)[佐倉未来] じゃ、息入れて
(せりふ)[春風どれみ] はい うー
どれみ、息をいれる(吹き竿をまわしてない)
(せりふ)[佐倉未来] あ、まわしながらね
(せりふ)[春風どれみ] はい
どれみ、吹き竿をまわす(息を入れてない)
(せりふ)[佐倉未来] 息、忘れずに
(せりふ)[春風どれみ] はい
以下これのくりかえし
(せりふ)[佐倉未来] まわしながら
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] 息
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] まわす
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] 息
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] まわす
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] 息
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] まわす
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] 息
どれみ、息を吹き込もうとして、顔を真っ赤にする
(せりふ)[春風どれみ] み、未来さん
(せりふ)[佐倉未来] なに?
(せりふ)[春風どれみ] く、空気、入らない
(せりふ)[佐倉未来] 熱が逃げて固まっちゃったのよ
●橋の上を歩く二人(後ろから逆光の夕日に照されているため、影絵のよう)
(せりふ)[春風どれみ] あたし、昔から二つのこといっぺんにやるの、苦手なんだ
(せりふ)[佐倉未来] そんなことない、初めてにしてはうまいって
(せりふ)[春風どれみ] 本当?
(せりふ)[佐倉未来] ねぇ、寒くない?マフラー貸してあげようか
(せりふ)[春風どれみ] 平気平気、暑いところにいたから、涼しいくらい
どれみ、町を案内する
(せりふ)[春風どれみ] ちゃんと覚えて。ここが一番近道なんだ
(せりふ)[春風どれみ] ここ、図書館
(せりふ)[春風どれみ] ここ、あたしんち
(せりふ)[春風どれみ] ここ商店街、結構近いでしょ
(せりふ)[佐倉未来] うん、便利
(せりふ)[春風どれみ] この先においしいパン屋さんがあってさ
(せりふ)[佐倉未来] あ、ちょっと待って
未来、北海商店の前で立ち止まる
(せりふ)[店員] へい、いらっしゃい
(せりふ)[佐倉未来] 時々、無性に食べたくなるのよね
二人で、いか飯を食べながら歩く
(せりふ)[春風どれみ] うん、分かる分かる
(せりふ)[春風どれみ] あ、そうだ。MAHO堂に行ってみる?あたしたちのお店。ね?
(せりふ)[佐倉未来] そうね、行ってみようかな
●MAHO堂
マジョリカが怒り狂っている
(せりふ)[マジョリカ] どれみは、どこじゃー!全く、どれみの奴、ど暇なクセしおって
どれみ、外でその声を聞いている
(せりふ)[春風どれみ] いっけなーい、さぼったの忘れてた
●どれみ斜面を登っている
(せりふ)[佐倉未来] いいの?呼んでるみたいだったけど
(せりふ)[春風どれみ] いいの、いいの。あ、じゃあ代わりに、この町のとっておきの場所、紹介しちゃおっかなー
●海に沈む夕日が見える高台
(せりふ)[春風どれみ] じゃーん!美空町で一番夕焼けが素敵な場所
(せりふ)[佐倉未来] 本当。素敵
(せりふ)[春風どれみ] どう?気に入った?
(せりふ)[佐倉未来] 気に入った
(せりふ)[春風どれみ] よかった
(せりふ)[佐倉未来] いろいろ教えてもらっちゃったな
(せりふ)[佐倉未来] お返ししなくっちゃ
(せりふ)[春風どれみ] ん?
未来、ポケットからガラス玉を取り出し、目に当て、ガラス越しに夕日を見た後で
どれみに渡す
どれみ、同じようにガラス越しに夕日を見て、
(せりふ)[春風どれみ] うわー
ガラス越しに見える夕日
(せりふ)[佐倉未来] ガラスってね、冷えて固まっているように見えて本当はゆっくり動いてるのよ、この海の水みたいにね
(せりふ)[春風どれみ] え、本当?
(せりふ)[佐倉未来] ただし、何十年も、何百年も、何千年もかけて。少しずつゆっくりと。あんまりゆっくりなんで、人間の目には止まっているようにしか見えないだけ
(せりふ)[春風どれみ] 知らなかった
(せりふ)[佐倉未来] でも、何千年も生きる魔女は、ガラスが動いているのをみることができる、いずれ私もそれを見る
どれみ、未来の横顔を見る
(せりふ)[春風どれみ] ・・・(ため息)
●学校のグラウンドで、ガラス越しに太陽を見ているハナちゃん
(せりふ)[ハナちゃん] うー、あー。あははは、おもしろーい!
ハナちゃん、何度もガラス玉を太陽にかざす
(せりふ)[春風どれみ] じゃ、一緒に放課後行こうか?
(せりふ)[ハナちゃん] 行く、行く!
(せりふ)[ハナちゃん] ガラス、ガラス!ガッラッス!ガラス!
後ろにいたサッカー少年(小竹哲也)が声をかける
(せりふ)[小竹哲也] あれ、巻機山、これからマンツーマンで、関先生と補習じゃなかったっけ?
どこからともなく現れた関先生が、ハナちゃんを連れて行く
(せりふ)[関先生] はい、行こう、こっちだぞ
(せりふ)[ハナちゃん] いや、絶対行く
ハナちゃん、抵抗むなしく連れて行かれる
長谷部、どれみに質問する
(せりふ)[小竹哲也] どこ行くって?
(せりふ)[春風どれみ] それがね、聞いてよ
遠くから小竹哲也を呼ぶ声
(せりふ)[木村たかお] 小竹
(せりふ)[小竹哲也] おう
小竹が呼ばれた方へ行く
(せりふ)[春風どれみ] もうなにさ、人が話してる途中に
どれみ、ハナちゃんが落としていったガラス玉を拾う
●五つ角
右上と左上に行く道、その真ん中に「五つ角の標識」は立っている
どれみ、ガラス玉越しに左上へ行く道を見ている
画面はどれみから見たものであり左上の道が映っている
画面がゆっくりと右へ移動、右上の道が映る
(せりふ)[春風どれみ] あ、お、ほほぉぅ
どれみ、なにやら感じるものがある様子
■■■■■Aパート終了■■■■■
■■■■■Bパート開始■■■■■
●未来の家の前
(せりふ)[春風どれみ] みーらーいーさーん
自転車に乗った郵便屋さんが通りかかる
(せりふ)[郵便屋さん] はい、エアメール
どれみに手紙を渡すと去っていく
手紙は外国からのはがき
どれみ、敷地の中に入っていき、工房の方へ
●未来の家の工房
(せりふ)[春風どれみ] 未来さーん、絵はがき来てるよ。未来さーん
(せりふ)[春風どれみ] あ
未来は作品の制作中だった
(せりふ)[佐倉未来] あら、いらっしゃい、全然気がつかなかった
(せりふ)[春風どれみ] ごめんね、じゃまして
(せりふ)[佐倉未来] 平気よ、あ、でも、ちょっと中で待ってて。これ、仕上げちゃうから
(せりふ)[春風どれみ] はい
●未来の家の中
どれみ、家の中を見回す
引っ越したばかりの雑然とした感じ
どれみ、観音開きの三面鏡を見つける
(せりふ)[春風どれみ] あ
どれみ、三面鏡を広げると、中には写真が所狭しと貼り付けてある
(せりふ)[春風どれみ] あー
未来が部屋に入ってくる
(せりふ)[佐倉未来] お待たせ
どれみに気づいて
(せりふ)[佐倉未来] あ、見つかっちゃったわね。私の宝箱
(せりふ)[春風どれみ] これ、全部未来さんの友達?
(せりふ)[佐倉未来] ふふっ。数じゃ、あなたに負けないわよ
(せりふ)[佐倉未来] チェコ、沖縄、デンマーク。もう、あちこち転々。行ったことのない国なんてないわ
男性とのツーショットの写真
(せりふ)[佐倉未来] この人には初めてガラスを習った
女性とのツーショットの写真
(せりふ)[佐倉未来] この人にはけんかのやり方を習った
若い男性とのツーショットの写真
(せりふ)[佐倉未来] この人は二日しか一緒にしなかったけど、ちょっと好きになりかけた人
(せりふ)[春風どれみ] 素敵
(せりふ)[佐倉未来] でも、やめた
(せりふ)[春風どれみ] なんで?
未来、どれみの顔をのぞき込んで
(せりふ)[佐倉未来] 私、年上好みなの
●夕焼けの空、飛行機雲が作りながらジェット機が高空を飛んでいる
どれみが、それを未来の家の庭から見上げている
(せりふ)[春風どれみ] 海外旅行か、いいなぁ
(せりふ)[佐倉未来] 旅行っていうか、引越なんだけどね
(せりふ)[春風どれみ] 引越?
未来は少し離れたところで、三脚をつけたカメラを調整している
(せりふ)[佐倉未来] そう、町から町へ、国から国へとね、すぐ引っ越しちゃう
(せりふ)[春風どれみ] なんで?
(せりふ)[佐倉未来] ポーズとって
(せりふ)[春風どれみ] だって、ずっと同じ事にいてもいいじゃん
(せりふ)[佐倉未来] ほら、ポーズ
どれみ、(今にも走り出しそうな)ポーズをとる
(せりふ)[佐倉未来] それはね。同じ人間といると、いろいろ不都合があるからよ
未来、どれみの方へ歩いてくる
(せりふ)[春風どれみ] 不都合って?
未来、どれみの後ろに立つ
(せりふ)[佐倉未来] だって、あなたもこれから魔女になるんなら
どれみ、振り向いて
(せりふ)[春風どれみ] ここも、いつか引っ越しちゃうの?
未来、どれみをくすぐる
(せりふ)[佐倉未来] こちょこちょこちょこちょこちょ
(せりふ)[春風どれみ] やっやっ、やめて、うははは
セルフタイマーが作動、写真が撮られる
●どれみの家
(せりふ)[春風どれみ] ただいま、おなか空いた。お母さん?おかあさーん!
ピアノの音が聞こえる
妹(ぽっぷ)が母(はるか)とピアノの練習をしている
(せりふ)[春風はるか] そうそうポップ、いい感じよ
(せりふ)[春風ぽっぷ] えーと、こんな感じ?
(せりふ)[春風はるか] うまくなったわね
(せりふ)[春風ぽっぷ] えへへ、そうかな
(せりふ)[春風はるか] 上手よ、とっても
どれみ、声をかけずそのまま自分の部屋へ
●エアメールを読んでいる未来
●五つ角
右上と左上に行く道、その真ん中に「五つ角の標識」は立っている
(せりふ)[春風どれみ] その未来さんってのが、きれいで素敵なんだ、それにちょっと不思議な雰囲気があってさ
(せりふ)[瀬川おんぷ] ガラスかぁ、私も行ってみたいな
(せりふ)[春風どれみ] オッケー、いいよ
おんぷ、時計を見る
(せりふ)[瀬川おんぷ] 大変、もうお仕事の時間。じゃあね
(せりふ)[おたがいに] ばいばい
おんぷが左の道へ去っていく
(せりふ)[飛鳥ももこ] 私も今度連れてってね
(せりふ)[春風どれみ] 今度?
(せりふ)[飛鳥ももこ] これから私の新作のお菓子をママが撮影してくれるの。じゃあね。See you tomorrow
(せりふ)[春風どれみ] ばいばい
ももこが右の道へ去っていく
(せりふ)[春風どれみ] 最近みんな忙しそうだな
どれみ、左上の道を見ている
画面はどれみから見たものであり左上の道が映っている
画面がゆっくりと右へ移動、右上の道が映る
●橋の上を歩く、どれみ(空が明るいので、影絵のよう)
(せりふ)[佐倉未来] イタリア語で橋のことをポンテっていうの
(せりふ)[春風どれみ] ポンテ?
●未来の家の工房
未来、吹き竿の先のガラスに、別の棒をくっつける
(せりふ)[春風どれみ] あ、くっついた
(せりふ)[佐倉未来] こうやって橋渡しするから、見ててね
未来、吹き竿を切り離す
(せりふ)[佐倉未来] ポンって
(せりふ)[春風どれみ] おもしろーい
ガラスの縁を広げようとしている二人
(せりふ)[佐倉未来] ゆっくり広げて、落ち着いて
(せりふ)[春風どれみ] はい
(せりふ)[佐倉未来] このまま形を整えればグラスになる、広げればお皿になる。あなたどうしたい?
(せりふ)[春風どれみ] え?どうって?ええっと
どれみ、虚空を見上げて考える
(せりふ)[佐倉未来] あ!ほら集中
(せりふ)[春風どれみ] ああっ
●未来の家の中 テーブルでジュースを飲む二人
どれみ、皿ともグラスともつかないものを前に落ち込んでいる
(せりふ)[春風どれみ] あたしだけ、いっつもこうなんだ。ピアノだってお母さんに習ってたけど、あんまり上手じゃないし
(せりふ)[佐倉未来] 上手じゃなくても、いいじゃん。好きなことなら
(せりふ)[春風どれみ] あたしね、昔ステーキ屋さんになろうとしたことがあって
(せりふ)[佐倉未来] へー、ステーキ焼くの得意なんだ
(せりふ)[春風どれみ] ううん、ステーキが好きなの
(せりふ)[佐倉未来] ん?
(せりふ)[春風どれみ] でも、そんなんじゃ、しょうがないから。あたしも何か得意なものでもあればなぁって
(せりふ)[春風どれみ] ももちゃんはパティシエになれるくらいお菓子を作るの上手だし
おんぷちゃんは、お歌すっごくうまいから、これからもバリバリやっていくだろうし
はずきちゃんだってバイオリンのお稽古にいってるし
あいちゃんなんかしっかりしてて
どれみ、庭にあるカエデの木を見る。紅葉の季節であり、多くの葉は色が変わっている。しかし、その中に色の変わっていない葉が一枚
(せりふ)[春風どれみ] あたしだけどうしていいか分からなくて。何にも見えなくて
(せりふ)[春風どれみ] な、ごめんね。なんか退屈な話しちゃって。イヤー、失敬失敬
(せりふ)[佐倉未来] 見えなくていいじゃん。
(せりふ)[春風どれみ] え?
未来、グラスの縁を指でこすって音を出す
(せりふ)[春風どれみ] わぁ
(せりふ)[佐倉未来] どう?聞こえた?
(せりふ)[春風どれみ] 聞こえた
●外は雨が降っている
どれみ、工房で作業している。それを見守る、未来
どれみ、棒からグラスを取り外す
外の雨がやむ
(せりふ)[春風どれみ] で、できたー!できたー!できたー!
どれみ、庭に出て飛び跳ねる
(せりふ)[佐倉未来] これで、後は一日ゆっくり熱を取れば完成よ
(せりふ)[春風どれみ] えへへ
未来、グラスを棚にしまう
(せりふ)[佐倉未来] ね、明日必ず取りに来て
(せりふ)[春風どれみ] ん?
どれみ、庭から室内の未来を見る
(せりふ)[佐倉未来] 明後日じゃだめ、明日必ず
(せりふ)[春風どれみ] ん?
(せりふ)[佐倉未来] 私、ここを引っ越すの
壁に立てかけていた棒がずれて、あの物音がする(吹き竿をいれたバケツに入った水がゆれる)
(せりふ)[春風どれみ] えー?
エアメールの絵はがき
(せりふ)[佐倉未来] ヴェネツィアの知り合いがね、こっちに来て勉強してみないかっていってきてくれたの
車いすに乗った老人の写真が載った雑誌
(せりふ)[佐倉未来] 彼、もうすぐ九十なんだけど。彼にガラスを教えたの、実は私なんだ
(せりふ)[春風どれみ] え、それって
若い男性とのツーショットの写真
(せりふ)[佐倉未来] 彼がまだ私より、年下に見えた頃の話
(せりふ)[佐倉未来] それが今では私よりも、ずっと年上になっちゃった
(せりふ)[佐倉未来] 彼は今、私のことを、昔好きになった人の娘や孫だと信じてる。だから私も彼が昔好きだった人の娘や孫を演じ続ける
(せりふ)[佐倉未来] 魔女には、こんな生き方もあるのよ、わかる?
(せりふ)[春風どれみ] わかんない
(せりふ)[佐倉未来] あなたは人間でまだ魔女見習い、魔女の世界を知っているようで、実はガラス越しにしか見ていないようなもの
(せりふ)[佐倉未来] でも、もしその先を見てみたいなら、ヴェネツィア、私と一緒に来る?
どれみ、未来を見上げる
(せりふ)[春風どれみ] ぇぁ!?
(せりふ)[佐倉未来] どれみ、私と一緒に、来る?
(せりふ)[春風どれみ] んぁ!?
●橋の上を歩く、どれみ((後ろから逆光の夕日に照されているため、影絵のよう)
(声が聞こえる)[佐倉未来] 明日必ず来て、明後日じゃだめ、明日必ず
●どれみの家
ぽっぷと父、母が談笑している
(せりふ)[春風ぽっぷ] 猫ちゃんカップルがいてね、とってもかわいかったんだ
どれみはベッドの上で、ガラス玉を見つめている
(せりふ)[春風はるか] どれみー、どれみー?どれみー!
動かない、どれみ
●学校(国語の授業中)
(せりふ)[関先生]
「あ、そうだそうだ」その時私は袂(たもと)の中の檸檬(れもん)を憶い出した。
本の色彩をゴチャゴチャに積みあげて、一度この檸檬で試してみたら。
「そうだ」
私にまた先ほどの軽やかな昂奮が帰って来た。
私は手当たり次第に積みあげ、また慌(あわただ)しく潰し、また慌しく築きあげた。
新しく引き抜いてつけ加えたり、取り去ったりした。
奇怪な幻想的な城が、そのたびに赤くなったり青くなったりした。(ちなみに梶井基次郎の檸檬の一節)
どれみは授業そっちのけで、、ガラス玉を見つめている
●五つ角
右上と左上に行く道、その真ん中に「五つ角の標識」は立っている
どれみ、左上の道を見ている
画面はどれみから見たものであり左上の道が映っている
画面がゆっくりと右へ移動、右上の道が映る
さらに画面がゆっくりと左へ移動、左上の道が再び映る
どれみ、右上の道へ走り出す
ベットボトルの置かれた電柱、米屋、階段、橋
走るどれみを横からとらえた画面
(せりふ)[春風どれみ] はぁっ、はぁっ、はぁっ(走る息づかい)
●未来の家の前
コンテナトラックが出発する
どれみ、そこへ走り込んでくる
(せりふ)[春風どれみ] 未来さん、あたし来たよ!未来さん、あたし!
家は雨戸が閉まっていて、貸家の看板が貼ってある
軒下の縁側にどれみの作ったグラスと二人で撮った写真が置いてある
(声が聞こえる)[佐倉未来] ごめんね。またどこかで、会いましょう 【未来】。
●橋の上を歩く、どれみ(後ろから逆光の夕日に照されているため、影絵のよう)
どれみ、手の中のグラスを見つめる
(せりふ)[春風どれみ] また会いましょう、か。
(せりふ)[春風どれみ] ぇへっ
小さく笑った後、駆け出す、どれみ
画面、上に移動
ラストシーンは夕焼け空と雲
■■おわり■■
演出 細田守
脚本 大和田暁
vol.10に収録
佐倉未来を演じるのは原田知世、どれみシリーズ中の最高傑作との呼び声もあるエピソードです
- [2007/07/21 13:44]
- ときかけ |
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